理系就活生向けコラム第10回 グループディスカッション対策(2)

応援

【試験官は何を・どこを見ているの?】

採用選考にのぞむ理系の学生さんに向けての「応援ブログ」第10回目です。

今回のテーマは、試験官(面接官)は何を、どこを見ている?です。
グループディスカッションという手法で採用の可否を決めるやり方は、主に米国のキャリア採用で用いられていたものです。一日(朝から夜遅くまで)あるいは1泊2日かけて様々なテーマ、様々なグループ分けで議論を繰り返します。これだけの時間とボリュームがあれば、応募者はその中で自分をアピールできますし、採用担当も個人の資質・能力を見抜くことができます。

一方、日本の新卒一括採用のプロセスの中のグループディスカッションは、短時間(長くて1時間程度を一回)です。これでは採用担当は、個々の応募者の資質や潜在能力を見抜くことなどできません。
それなのに、なぜグループディスカッションを実施するのでしょうか?私はこう考えています。
組織の中で働くことを考えると、コミュニケーションが取れるか?協調性があるか?
この2点が何をおいても重要です。何とかしてこの2点についての応募者の資質・能力を見たいからです。

私の所属していた組織では、グループディスカッションを採用してきませんでした。それでも、外部の組織の採用活動のお手伝いで面接官をやったことはあります。
SJCの就活ゼミでも模擬ディスカッションの試験官をやっています。採用する側がどのように考えているかを想定して、対策を考えていきましょう。

【試験官はここを見ている!】

1.コミュニケーション

就活にあたって皆さんはこの「コミュニケーション」についていろいろ聞き、考えていると思います。これは、企業側が応募者に対して望む資質・能力に真っ先に挙げるものです。
では、これを一言で言い表すとしたら?答えに詰まるか、あるいは十人十色の答えが返ってくるでしょう。
私の答えは、「聞け、話すな」です。たくさん話す、多くの人に向かって話すことではありません。しっかり相手の話を聞いて、理解してからレスポンスすることです。相手が話している最中に、次に自分は何を話そうか?と考えているようでは、質の高いコミュニケーションは成立しません。


このように、コミュニケーションが成り立つには、前の人の発言を受けて回答することが必要です。つまり、出題者の意図を聞き、周りの発言者の発言を聞き、その意味を正確に聞き取り、 何らかの「価値のある情報」を載せて返答する。これを繰り返していくわけです。この「価値ある情報」とは、賛成意見、反対意見、考えを広げる意見、まとめる意見などです。
この意見交換の流れに沿って発言していくことで、グループとしてのコミュニケーションが図れるのです。
したがって、この流れを意識して自分の考えを載せていけばよいのです。さらに周りの発言を促す発言は評価されます。一番いけないのが、とにかく自分の考えを言いっぱなしにして、流れを切ってしまうことです。


2.協調性
持ち時間の中で、グループを引っ張っていこうと、自分一人が発言する人を見かけます。「自分が全体を引っ張っていくのだ」といった姿勢が必要な場面もありますが、「全員が意見を出し合って、それぞれの長所をいかして、協力して、一つの共通項をまとめ上げることが求められている」ということを頭に置いておきましょう。

一方で、ほとんど発言のない人もいます。頷いたりはするのですが、意見を表明する自信がないのかもしれません。オリジナリティを考えるあまり、流れに追いつかないのかもしれません。しかし、発言がないのは参加していないのと同じです。こういうときには、「前の〇〇さんの意見に賛成/反対です。ここがよい/ここをもう少し考えた方がよい」という発言ならばできると思います。まずは一言発言してみることです。そうすれば、自然に流れに乗ってくるものです。

3.積極性、気配り、時間厳守、やり切る力
ここでは、自分がどんどん周りを引っ張っていくといった積極性よりも、発言のない/少ない人に参加を促し、全体的な議論を活性化させるような積極性を発揮するよう心がけましょう。
時には、ありふれた意見、地に足がついていない意見だと感じるものもあるかもしれませんが、 意見を言ってくれた人を尊重して、議論を発展させる姿勢で臨みましょう。発言者が、自分とは異なる現実を見て、異なる問題に気付いているに違いない、と考えてみましょう。
時間はあっという間に過ぎてしまいます。ビジネスの世界では、時間内に課題を提出できなければ、いかにそこまでの過程が素晴らしくても、評価はしてくれません。常に時間を意識しましょう。
画像 そして最後に、時間に追われても最後まで話し合ってグループとしてのよい意見を作り上げましょう。
時間いっぱい使って、あきらめず、より良いものを作っていこうとする姿勢は大切です。ゴールが見えた時、「これでもういいか」といった姿勢にならないよう気を付けてください。

次回は、役割分担と役割ごとに求められるものを紹介します。

次号は7月14日掲載の予定です。

【プロフィール】

履歴書

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
人事、総務、経理などの管理部門に携わる。採用は、新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現させてきた。

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