SJC保護者向けコラム P&SJC vol.3:親御さんが出来る就活の手伝い

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年も明け、就活生のお子さんをお持ちの親御さんは、そろそろそわそわし始めていることと思います。お子さんもインターンシップ等を経て、いよいよ本格的な就活を前に準備を始めている方もいれば、なかなか就活モードに入らず、親御さんを心配させている方もいらっしゃることでしょう。
前回は「関わり方」のお話をしましたが、今回は「手伝えることは何か?」という視点で、物理的な支援と精神的な支援の両面からお話をしてみたいと思います。

物理的な支援の方法

スケジュール

物理的な支援は、なんといっても金銭面での支援です。
就活はお金がかかります。リクルートスーツに始まり、かばんや靴、ネクタイ、ワイシャツやブラウス、そして3月解禁の頃にはまだコートも必要でしょう。また、交通費の負担も重くのしかかります。県外へ進学した学生や県外で就活をする学生は特にそうです。東京まで往復すれば新幹線なら1万円を超えてしまいます。宿泊が伴えばさらにお金がかかります。各駅停車を乗り継いだり、果ては青春18きっぷを使ったりして移動し、友達の家やネットカフェに泊まって就活をする就活生は決して珍しくありません。けれど、それではベストなパフォーマンスを出すのは難しいのではないでしょうか。また、静岡県は東西に広いため、県内の学生が県内で就活をする場合でも就活生たちは出費を強いられます。例えば静岡駅から浜松駅までですと、在来線で往復しても2640円かかるのです。それ以外にも履歴書に貼る証明写真を撮ったり筆記試験の対策本などを買ったりすると、かなりの金額になることでしょう。「できる限りの支援はするよ」という言葉は就活生のお子さんにはとてもありがたいものになるはずです。
また、身だしなみやちょっとしたビジネスマナーに関するアドバイスも役に立つと思います。ネクタイの長さはどのくらいになるよう結べばいいのか、企業を訪問したときコートはどこで脱げばいいのかなど、就活生にとっては1つ1つが初めての世界です。実際、合同会社説明会の相談コーナー等では、平気で机の上にかばんを置いたり、コートを着たまま着席したりする就活生を目にします。お子さんが知識不足で不安になっている点についてはもちろん、気づかないままになっている点をそっと教えてあげられるといいですね。就活生の親御さんの中には、管理職や後輩指導をしている方も多いかと思います。日頃、目に付く若者特有のマナー違反についてご自身の経験から伝えるということは、親御さんならではの「お手伝い」だといえるのではないでしょうか。

精神的な支援の方法

精神的な支援については、少し複雑になります。それは、就活生のお子さんそれぞれに個性があり、対応が異なるからです。
「がんばって」という言葉が何よりもうれしいお子さんもいれば、何よりもプレッシャーになるお子さんもいます。「大丈夫?」と声を掛けられて堰を切ったように相談が始まるお子さんもいれば、そうした声掛けをうっとうしいと感じるお子さんもいます。親御さん自身が「自分だったらどういう言葉を掛けてほしいだろう」と考えるのは半分だけにして、残り半分は「自分の子供はどういう言葉を掛けてほしいだろう」と考えてみてください。同じ言葉でも、感じ方は人それぞれ違うのです。
ただ、そんな中でも多くの人に共通する接し方があります。
・いつでも相談してよいと伝えておく
・相談があれば否定せずに傾聴する
・兄弟や友人、親御さんと比較しない
・干渉しすぎない
・無関心にならない

慣れない企業訪問をし、初対面の大人と連日会わなければならない毎日は就活生にとって精神的負担が大きいことでしょう。その上、選考で落とされることが重なれば、タフな神経を持ったお子さんでもさすがに弱ってくるもの。「いつでも帰れる場所がある」「どんな時でも否定しないで受け入れてくれる」のは親御さんだけなのです。お子さんが望む距離感に合わせ、見守ってあげるのが一番ではないでしょうか。「心配しているから、いつでも相談しにおいで」という一言だけで「あぁ、両親もいろいろ言いたいことがあるだろうに、こんなにも自分を信頼して自由に就活をやらせてくれているんだ」という信頼や安心を抱くお子さんもいます。言葉すらなくても、毎日の温かい手料理は心と体の健康につながることでしょう。

過干渉で注意するべきこと

それから、注意したいのが過干渉と無関心です。
お子さんにもそれぞれ個性がありますが、当然ながら親御さんにも個性がおありだと思います。つい干渉してしまう方もいれば、放任主義が行き過ぎて無関心と受け止められてしまう方もいらっしゃることでしょう。性格を変えるのは大変ですので、ご自分のタイプを知って上手にさじ加減をしていきたいところです。
過干渉で注意したいところは2つ。それは「昔の常識で判断してしまう」と「お子さんの成長を阻害する」です。
今の就活生の親御さんといえば、40代後半から50代、という年齢層ではないかと思います。ご自身が就活をされた時期からは30年前後が経っているのです。就活のプロセスが変わったことについては、本コラムのVol.1で触れましたが、就活プロセス以外にも状況が大きく変化しているところはたくさんあります。例えば大卒ブランドについてです。親御さん世代の大学進学率はおよそ25%でした。ところが今は50%を超える進学率となっています。加えて子供の数は2/3ほどに減っていますので、人事担当者は「同じ大学でも昔より入学しやすくなった」ことをよく知っています。「大学まで行ったんだからいい会社に」という時代ではなくなったのです。これ以外にも「大手企業へのエントリーは数万人レベル」や「以前と比べて製造業は企業数が半分に、サービス業は1.5倍になった」など、世の中はずいぶんと変化してしまっています。昔の常識で判断されてしまうと、お子さんたちは親御さんへの相談をあきらめるしかなくなってしまうのです。
また、お子さんの成長を阻害する関わり方になっていないかどうかも注意が必要でしょう。お子さんの代わりに企業に電話をしたり、エントリーシートを書いたり、勝手に就職先を探してきたりする親御さんが稀にいらっしゃいますが、親御さんの務めは「今を乗り切らせる」ことではなく「この先も乗り切っていける力を身に着けさせる」ことです。「この子一人では就活ができるかどうか心配で……」という声を聞くこともありますが、いつかは一人でやっていかなくてはならないのです。なんでも代わりにやってあげてしまうと、何もできないお子さんになってしまいます。仮にどこかの企業に入社できたとしても、何もできないお子さんでは、いずれ職場で針のむしろに座る羽目になってしまうでしょう。親御さんだけでは対応が難しい場合は、積極的に外部に助けを求めてもよいと思います。学校のキャリアセンターや就職情報センターのような会社、また私のようなキャリアコンサルタントなど、親子だからこそうまくいかない問題もありますので、外部の力を借りることも検討してみてください。

しっかり子供と向き合う時間を

悩み

反対に、放任主義が行き過ぎて無関心になってしまう方もいらっしゃいます。
「子供の好きにさせている」という親御さんは今一度「無関心になってはいないか」確認してみてください。お子さんが悩んでいたり、頼りたいと思っていたりしたとき、そうしたサインに気づけていますか? 特に就活後半になっても内定が出ない状況ですと、思い詰めて相談に来られ、そのまま1時間も2時間も泣き続けてしまう就活生もいます。精神的な限界を迎える前に、手を差し伸べてあげられる距離で見守ってあげてください。
また、これとは別に、言わなければならないことを言わないままにしてしまうケースもあるようです。親御さんの目から見て、しっかり注意すべき点は注意しましょう。言いにくいと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、そこはお子さんのため。伝えるべきことは我慢せずにアドバイスしてあげてください。
お子さんの性格によっても、親御さんの性格によってもアドバイスが異なるため、今回の記事は人によっては受け取り方に悩むかもしれません。何かの機会にご相談に乗れたらとも思っております。

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