SJC保護者向けコラム P&SJC vol.5:採用情報解禁後を経て

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採用情報解禁から2週間が経ちました。就活生のお子さんを抱える親御さんたちは、戦闘モードに入ったお子さんを心配したり、反対にスタートダッシュができていない雰囲気を感じてやきもきしたり、さまざまではないかと思います。

就活生を大人として見よう

大人なようで子供なところもある就活生との接し方に、迷っている親御さんもいらっしゃると思います。
大学生や大学院生なら既に成人していますし、短大生や専門学校生なら成人式前という方もいると思いますが、いずれにしても20歳前後ですので、法律的に成人かどうかは別として、判断力や思考は大人としてみなされるレベルにはなっていると考えてよいのでしょう。
しかし、同じ大人といえども、20歳と30歳では確実にレベルが違っています。40歳、50歳と歳を重ねるにつれ、間違いなく成長していくはずです。そう考えると「もう大人なのだから」と考えるのではなく、20歳前後、とだけとらえた方が正確なのかもしれません。

今の就職を理解するのが良関係の一歩

そんな20歳前後の就活生と親御さん世代では、当然、経験値も違いますし、大人としての成熟度も異なります。お子さんの自主性を尊重するのは大変よいことだと思いますが、放置にならないよう意識してほしいものです。「必要なときにはいつでも相談してよい」と、扉を開けて待っていることを伝えるのも大切ですし、明らかに間違ったことをしているときに助言したり叱ったりすることも必要だと思います。一方で、やる気をそいでしまう発言や、お子さんを精神的に追い詰めてしまうような関わり方をしないよう、注意しなければなりません。そのためには、親御さんにも「今の就活」を知ってもらう必要があると感じます。

「うっとうしい」親にならないために

悩む

これまでのコラムにも記してきましたが、昔の就活と今の就活では異なるところがたくさんあります。子供の数が減る一方、大卒者の割合は増えていますし、サービス業の増加など、日本の産業構成も変化しています。また、バブル期以前は人数確保が優先されていましたが、今は「人数が足りなくても採用基準は落とさない」と考える企業が増えました。そうした環境の変化に加え、履歴書+エントリーシートという負担増、インターンシップへの参加やインターネットの活用(エントリーや適性検査はもちろんのこと、特に有名企業の会社説明会への申し込みは、人気アーティストのコンサートチケットを取るより難しいといわれることもあります)など、就活のスタイルそのものも変化しています。さらに、働き方も正社員だけではなくなりましたし、女性のキャリア展開も多様化しています。
そうしたことを知らない親に対して、お子さんたちは「親に相談してみよう」という気持ちになるでしょうか。相談したところでどうせ時代錯誤で無理解な意見しかもらえない、と思ってしまったらそもそも相談もしないでしょうし、仮に相談してくれたとしても、意見の相違を親の無理解とすり替えて受け止めてしまうことさえあると思います。そうなってしまっては大変もったいないことです。親御さんのアドバイスを「無理解から来る発言」と受け止めるか、「この親が言うのだから間違っているのは自分の方かもしれない」と受け止めるかは、ひとえに親御さんに対する信頼の有無にかかわり、そのためには「今の就活について知ること」「お子さんの気持ちを知ること」「お子さんの話をまずは傾聴すること」が必要となります。仮にお子さんが「自分の親は就活についてしっかり勉強していて、自分よりも詳しいくらいだ」と思うなら、親御さんのアドバイスを受け止めるスタンスもきっと変わるはずです。また、お子さんの話を傾聴した上で、気持ちに寄り添った言葉をかけてあげれば、必ずお子さんの心に届きます。「就活/親/うざい」などの言葉で検索すると、就活生のお子さんたちが親御さんに対して何を望んでいて、何に失望しているかがわかります。もちろんその中には若さゆえの身勝手な受け止め方もたくさん含まれているのですが、就活生たちがそのように感じてしまっているのは事実なのです。そうしたことを自分たちがしてはいないか、今一度振り返ってみてください。
また、ご夫婦でお話ができるのであれば、お互いにクロスチェックをしてみるのもいいでしょう。ネット上で揶揄されている「うっとうしい」親御さんも、決してお子さんの邪魔をしていようと思っているわけではなく、お子さんのためを思い、心から支援をしたいと考えているはずです。にもかかわらず、お子さんが望んでいるものを渡してあげられず、お子さんが望まない関わり方しかできなくなってしまうのが親子の難しさだといえます。基準は「親御さんがお子さんのためを思っているかどうか」ではなく、「お子さんがどう感じるか」です。厳しい言い方かもしれませんが、親御さんがお子さんのためを思っているということと適切な関わり方ができているということは、別なことなのです。

自分の失敗談を話題にしよう

そうした中、ぜひお子さんたちにしてあげてほしい話が、親御さんの失敗談です。
つい成功体験を話したくなりがちですが、失敗談や若い頃のミスを話すことで、実は親御さんにも若い頃があり、同じような悩みを抱えていたのだということにお子さんが気づくことができるでしょう。もしかしたら、この親となら同じ目線で話ができるかもしれない、と思ってくれるかもしれません。そうなれば、お子さんも心を開いて胸の内を話してくれるかもしれません。
また、親御さん自身の仕事に対する本音も、話してみるとよいと思います。むしろ美談ではない方がいいかもしれません。「本当は働きたくない」とか「こんな上司がいて困っている」などなど。転職経験があれば、その時の思いや、転職した経験から感じていることなども話せると思います。もちろん、唐突にこのような話題を切り出すことはできませんが、お子さんと就職や仕事について話せる場が持てたときにそんな話をしてみると、これが意外にお子さんの心に響くことがあります。会社でも、エース級の社員や課長・部長の若い頃の失敗談を耳にした若い社員が「課長でもそんな時代があったんですね」「部長も仕事で悩んだことがあるんですか?」といった、ちょっと驚いたような反応をすることがあります。他人の人生や背景に思いが至らないといえばそれまでなのですが、そうした若者たちに「悩んでいるのは自分たちだけではない」ということを知ってもらうためにも、最も身近な大人である親御さんの失敗談や思いを伝えることは効果的だと思っています。

寄り添ってあげるべきは

家族

やはり就活生は親御さんと比べれば半分ほどの人生しか生きてきていません。それゆえ、わからないこともたくさんありますし、理解力も不十分だといえるでしょう。お子さんのことがわからない、という向きの声もあるとは思いますが、反対にお子さんたちは社会人の立場も、親の立場も経験したことがありません。頭の中で想像するしかないのです。それに対して親御さんは、過去のこととはいえ、お子さんの年齢や立場を通り過ぎてきています。厳しいようですが、どちらがより相手を理解し、相手に合わせ、寄り添ってあげるべきかと考えれば、それは私たち年長者の側ではないかと思うのです。

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