理系就活生向けコラム 第Ⅲ期 提出書類でしっかりアピール

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第15回 エントリーシート(ES)の書き方 (+就活キーワード:イノベーション Innovation)

前回の履歴書の書き方に続いて、今回はエントリーシート(以下ES)の書き方についてポイントを押さえましょう。今回は、少し長い文章になりますが、最後まで読んでください!

ESの書式は、会社が指定してくるもの、学校のオリジナル様式、「自由記述で○○サイズ用紙〇枚」など様々です。応募する会社の要求に合わせて書き分けなければなりません。
しかし、書く内容の中心部分は共通です。(ただし、志望動機や入社後に挑戦したいことなどは個別に工夫が必要です)
前回の履歴書の回でも書きましたが、このESは、書類審査だけでなく面接の際にも重要な資料になります。
面接官は、履歴書、ES、成績証明書(履修記録)などから質問をしてきます。書類選考をパスできる内容、面接でも慌てないように十分考えぬいた内容を書くようにしましょう。
特に、面接において面接官からの質問をうまく引き出して、用意していた回答で自分をうまくアピールできれば、内定にグッと近づけます。(このヒントはこのコラムの最後のところで考えてみましょう)

エントリーシートのポイントは3つ!

ESの記述内容を3つに分けてポイントを説明します。
1.自己分析から(自分はどういう人間?) 
2.学生時代のこと(何をやってきたか?) 
3.業界/企業分析から(応募先の企業に入社出来たら何がしたいのか?)

1.自己分析から(自分はどういう人間?)
1)自己分析から自分自身の「強み」は見つかりましたか?

明確な強みでなくてもいいです。
得意なこと、没頭して時間や空腹をも忘れてしまうようなことでもいいです。他人がやっているのを見ていて自分ならもっと簡単にできると思うこと。これでもOKです。
書くスペースがあれば、なぜそれが強みと思うのかを書いてもいいでしょう。書けない場合は、面接で聞かれた時の答え方を考えておきましょう。
どうしても、強みが見つけられない、ぼんやりしていて言語化できない、という方は、コラム第8回で紹介した「社会人基礎力」「3つの能力」と「12の要素」を切り口にして考えてみてください。
自身の経験とその時の感情をおもいだしてストーリー化できるまでしておくと、面接のときにもよい回答ができるでしょう。

2)資格、特技はありますか?
まず公的な資格を取得しているのならば、その正式名称を書きましょう。英語の資格であれば英語〇級やスコア○○○点はNG、「日本英語検定協会〇級」「TOEIC○○○」「TOEFL○○○」のように、簿記の検定であれば、日商、全商、全経などの種類と級をはっきり書きましょう。
公的な資格でなくてもアピールできそうなものがあれば記入してもOKです。 特技もOK。
例えば楽器演奏であればレベルも書きたいですね。そして面接ではアンサンブルの話から協調性やチームワークの話が出来そうですね。
武道であれば、物事を極める姿勢、精神的な強さに話を持って行けそうですね。(ここも書いたことから面接での回答にどうつなげるかを考えておいてください)

3)趣味は何かありますか?
趣味などは一般的に仕事と直接の関係がないと思われがちですが、意外なところで役にたちます。
筆で上手に字が書ける、フラワーアレンジメントが得意、絵やイラストを描くのが上手、といった人は本来の自分の仕事以外の業務で会社に貢献しているものです。また、あなたの人間性の幅を知ってもらうチャンスになるかもしれません。

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2.学生時代のこと(何をやってきたか?)
1)学業のこと:

企業が大学、専門学校の卒業生を採用する理由は皆さんもお分かりと思います。学校で学んだ最先端の技術や技能を企業内で活用したいからです。
ただし、学校で学んだことが業務に直結することはまれなのです。会社側の本音は、学んできた技術・技能よりも学ぶ過程での取り組み方(方法論)やその際に培った取り組み姿勢から得たものに期待をしているのです。
ですから「○○学部」「○○学科」「○○研究室」在籍と書くだけでなく、そこで何を学び研究したか、どのように取り組んだか、まで書けるといいですね。スペースがなくて書けない場合には、口頭で説明するストーリーを準備してください。

2)アルバイト体験のこと:
採用面接をしていて学業のことは何もアピールがなく、アルバイト体験を熱く語る応募者がとても多い気がしています。アルバイト体験をアピールすることを勧める就活本もあるようです。企業側も質問することが多いのは確かです。
では、企業側はなぜアルバイト経験を聞くのでしょうか?企業には、皆さんのような20代の若い社員から60,70代(皆さんのご両親より年上)の社員が一緒に仕事をしています。学生時代のように同じかせいぜい数年の違いの集団とは違います。
そういった環境に近いアルバイト職場の体験で、何か得るものがあったらそのアピールが聞きたいのです。世代や価値観の大きく違う集団の中で、活動できるかを見たいのです。
ですから、まず学業のアピールをしっかりしてからその次にしましょう。 地域ボランティア活動での経験があればいいアピールになります。

3)クラブ、サークル活動のこと:
ひところ各社の採用担当者の間で話題になった笑い話があります。「今のクラブ、サークルは部長が一人いて、あとのメンバーはすべて副部長?」というものです。それほどまでにESにはこの「副部長」がたくさん登場するのです。
さて、企業側がここでみているのは、学業以外にどのような興味を持って生活しているか?集団の中でどのような役割をしてきたか?どのように集団に貢献してきたのか?です。
先輩・後輩との人間関係、指導される・指導する経験、モチベーションの維持・高揚などのエピソードがあればいいですね。

3.業界/企業分析から(応募先の企業で内がしたいか?)
1)なぜこの業界を選んだのか、なぜこの会社にしたのか?

これまでの業界/企業研究の成果を書きましょう。実際には、合同説明会で出会った、先輩が在籍している、なんとなく名前を知っていた、などであってもそれをそのまま言ってしまうのではもったいなさすぎです。
その企業を調べて、もっとも自分が興味を惹かれたところをアピールしましょう。職種についても同じです。

2)具体的にどのような働き方をしたいのか?
ある程度の規模の企業になると、いくつかの応募職種は指定されています。
必ず、ホームページや募集要項などをチェックしてください。自分の専門分野と仕事を結びつける、強みと仕事を結びつけるなど、ただ漠然と研究職希望、生産管理職希望と書くだけでは説得力がありません。

3)応募企業の将来を予想してみる
企業説明会やホームページなどで、現在の企業情報のほかに将来展望が紹介されているでしょう。
例えば10年後、あなたが入社出来たら30代前半の勢いあるリーダークラスになっているでしょう。その姿と企業の10年先の展望を合わせてみて、あなたはどのような働き方をしているでしょうか。確実なことは誰もわかりません。
でも、夢を語ることは重要です。前向きな姿勢を示すコメントを書きましょう。 

自分をアピールする方法!

最後に、冒頭でお約束した、「面接において面接官からの質問をうまく引き出して、用意していた回答で自分をうまくアピールする方法」です。
まず、これまで多くのESを見てきて感じるのは、漠然とした「名詞」だけが羅列されているものです。
簡単な例で言うと、「趣味:読書、音楽鑑賞」というものです。これでは全く伝わってくるものはありません。読書…村上春樹の作品はすべて読んでいます、音楽鑑賞…ビッグバンドのジャズが好きです。くらいまで書いてあると村上作品のどの作品がよかった?どこが好き?どの年代のジャズをよく聞くの?など硬い面接の中でも 面接官とリラックスした会話ができ、あなたの素の良さを伝えることが出来そうです。

卒業論文の難しいテーマをダイレクトに書いてあるESもありました。面接官も具体的な内容が解りません。当然、これはどんな研究?という質問が来ますよね。その学生さんは、専門用語を簡単に説明し、具体例を挙げ、最終的にどうなれば成功なのかまでとてもスマートに答えました。
しっかり面接官の質問を意識して答えを用意してきているのが解りました。
「ここは聞かれそうだな?」「自分のESはここが弱そうだな」と思ったら準備万端の回答をして、面接を乗り切りましょう。
また、応募企業ごとに提出するESの内容が違ってくため、(特に志望動機など)必ず手元に控えをとっておきましょう。

次回からは、面接試験対策に入っていきます。

《就活キーワード:イノベーション Innovation》

前回の就活キーワードで、企業の機能はただ二つだけ、すなわちマーケティングとイノベーションである、というピーター・ドラッカーの言葉を紹介しました。今回は、このイノベーションについて、就活をするにおいて知っておきたい最低限の内容を紹介します。

経済学者のシュンペーターが提唱した概念で、経済発展のために生産要素の組み合わせを変化させたり新たな生産要素を導入することで生産を拡大する行為で、「新結合」「新機軸」などと言われています。
経営学者のクリステンセンは、「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」と定義し、これまでの産業の在り方を覆すようなものを「破壊的イノベーション」と呼びました。アパレル業界におけるユニクロ、文具通販のアスクルなどが身近な例です。  
「技術革新」などと表現されて画期的な技術の発明や進歩が必要だと誤解されますが、企業内で行われている改善・改良などもイノベーションなのです。イノベーティブな企業では、多くの小さなイノベーションを生む風土があり、そこから「破壊的なイノベーション」を生む素地ができてくるのでしょう。皆さんが就活に挑む企業では、どんなイノベーションが行われているのでしょうか?訊ねてみてどのような答えが返ってくるでしょうか?(企業秘密と言われるかもしれませんが)

【プロフィール】

履歴書

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
人事、総務、経理などの管理部門に携わる。採用は、新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。
面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現させてきた。

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