理系就活生向けコラム 第Ⅳ期 面接試験を突破せよ!

応援

第19回 面接試験対策(4)緊張を和らげる方法(+就活キーワード:CSR 企業の社会的責任)

人前で話すのは誰でも緊張するものです。ましてや面接となればなおさらでしょう。
では、緊張しなくなる方法はあるのでしょうか?
これまで、私は何度となく就活生の皆さんから「どうしたら緊張せずに、面接で普段通りの対話ができるのでしょうか?」「緊張しすぎて、考えてきたことが飛んでしまって頭の中が真っ白になってしまいました」などの話を聞いてきました。

私の答えは、“誰だって緊張する!”(面接官だって緊張しながらやっている)です。
緊張しないほうがおかしいのです。緊張して答えに詰まったら、「すみません、緊張してしまいました。もう一度、言い直します」と言って再開すればよいのです。
でも、これでは少々不親切かな?と思っていたところ、ある雑誌の記事を見つけました。それに沿ってもう少し親切に答えていくことにします。

「誰もが、人前では堂々と話をしたいと思っているはずだ。だが実際には、自分の理想とは程遠いケースがほとんどである。それは恐怖心に支配されているからだ。恐怖心を完全に取り除くことはできないが、和らげることはできる。そのための5つのアドバイスを示す」
HBR(ハーバード・ビジネス・レビュー)Feb.2018 “5 Ways to Get Over Your Fear of Public Speaking”マーク・ボンチェック、マンディ・ゴンザレスのネット翻訳版です。

では、具体的に見ていきましょう。ここでは、恐怖(Fear)という言葉を「緊張」に置き換えて読んでいきます。
「恐怖は克服しなくてもかまわない。恐怖が完全に消えることは、けっしてない。目指すべきは、恐怖の軽減である」
そうです。緊張を完全になくすことなどできないのです。どうすれば緊張を軽減できるかを考えて、準備して、面接に臨めばいいのです。

それでは、恐怖を和らげるための2つのアドバイスと、恐怖を鎮め逆に自信を増すための3つのアドバイスを紹介します。

恐怖和らげるための2つのアドバイスと恐怖を鎮め逆に自信を増すための3つのアドバイス

1.準備をする
このコラムの第16回でも書きました。想定される質問事項に対しての答えをしっかり準備することです。頭の中だけでなく口に出して練習することです。つぶやくことでもOKです。本番前のルーチンを決めておくのもいいでしょう。
ちなみに、私は面接で面接官の質問に答えるときには、質問を聞いて答えを言う前にワンテンポ置くように心がけていました。声には出しませんが、心の中で「はい」と答え、ほんの少しだけ顎を引く(頷く)動作をしていました。これによって落ち着けましたし、「えー」とか「あのー」「えーっと」などの無駄な発声がなくなりました。
リハーサルができるといいですね。学校やイベントでの模擬面接などの機会は十分に活用してください。

2.現実を見る
恐怖には現実的なものもあれば、そうでないものもある。ということです。人は誰でも悲観的に考え、ものごとを極端に見る傾向があるといいます。
例えば、質問の答えとして用意していたことを話そうとした瞬間にすべて忘れてしまうことが恐怖だとします。この状況で最悪な事態は何でしょうか?
パニックになって次からの質問にすべて答えられなくなること、不甲斐なさ、情けなさ、悔しさから涙が止まらなくなること、試験会場から逃げ出してしまうこと、でしょうか?
実際には、そこまでのことはないでしょう。すると、そうならないようにできることをやっておけばいいのです。どうしても不安であれば手の目立たないところにキーワードを書き込んでもいいでしょう。(実際には見ることがないでしょうが、一種のお守りです)
最悪を想定して、肚(はら)をくくって面接に臨む。そうすると不思議と余裕が生まれるものです。

準備を怠らず、現実を見ることには、無意味な恐怖を鎮める働きがあります。次の3つは、逆に自信を増す働きがあります。

画像

3.弱みを見せる
弱みこそ最大の強みとなる。面接のときには、学生らしさ(あなたらしさ)を見せることが大切です。面接官は、完全武装して隙なく装った、仮面を被ったようなあなたを見たいのではありません。
いわゆる「素」のあなたが見たいのです。「話のまとまりがなくなってしまいました。もう一度簡潔に答えてもよろしいでしょうか?」などといってやり直すのは問題ありません。成功談ばかりでなく、失敗談や日常の笑えるような体験談を交えて話すのもいい手段です。

4.その瞬間に集中する
集中しているつもりでも、何か他のことが気になっている状態なんてことがあります。周りの応募者の服装や行動が気になったり、落ち着いたたたずまいをみて、逆に自分が落ち着かなくなったりしませんか?
「今、自分はこの面接に臨み、準備してきた成果を披露し、面接官に自分の良いところ、学業で得たもの、社会経験で学んだものをすべて見てもらうんだ!」という強い意志を持ちましょう。自分を信じることです。他人は気にしない。まさに集中です。
集団面接のときに、時々あるのですが、「まえの方と同じです」という回答をする人がいます。クイズのように答えがはっきりと決まっていれば(=クローズドクエスチョンであれば)「同じです」はあるかもしれませんが、オープンクエスチョンに対しては、似通った内容の答えでも答え方は人それぞれです。自分の言葉で答えましょう。

5.惜しみなく分かち合う
ビジネスのプレゼンやパフォーマンスと面接は少々違うので「分かち合う」というのはちょっと難しいのですが、このように考えます。
面接は一方的に面接官の質問に答えるだけで終わってしまってはいけません。とは言っても、主導権は面接官側ですよね。また、慣れていない(=経験の浅い)面接官はひたすら用意した質問をぶつけてたくさんの回答を得ようとします。すなわち一方通行になってしまうのです。これでは会社側、学生さん側ともに満足は得られないと、私は思います。
皆さんは、質問に拠りますが、単に事実や実体験のみを答えるのではなく、入社が叶った後の希望や望みも回答の中に入れ込むようにしてください。
強み(長所)を聞かれたとして、「強みは○○です。○○な状況で○○を達成しました。社会人になっても○○の仕事で役立つと考えています。御社の○○の部署で戦力になれたらと思います」という具合です。
最初の1文で終わりではNGです。2文まで言えれば及第点、3文、4文すべて言えれば他の候補者と差別化ができるでしょう。

実際にあった話を2つ紹介します

静岡出身で関西の大学へ進学していた学生さんが、緊張のあまり「関西弁」が出てしまい、それに気をとられてパニック寸前になってしまったことがありました。
面接官をしていた取締役の一人が関西出身者だったこともあり「これから君とは関西弁で話をしよう」ということになりました。それにより、その学生さんも余裕が出て、関西弁に短期間で染まってしまったエピソードから、関西の大学へ進学した理由、学校で学んだこと、Uターンして静岡で働きたいこと、この会社で何をしたいのかなど自己アピールもよくでき、話す内容も整理されてよく伝わってきました。
ちょっとしたピンチを乗り越えて、マイナスをプラスに転じた例でした。

もう一つ、あまりよくない例を挙げておきます。
回答がうまくいきそうにない時に「人前で話すのが苦手なんです」「大勢の人の前ではとても話なんかできません」などと言ってしまう方がいます。確かに、本当のことを正直に言っているのでしょう。
でも社会人になったら、それなしでは仕事になりません。社会人になったら自然とできるようになるものではありません。
こういった場合には「緊張してうまく言えませんでした。もう一度やり直します」というくらいのチャレンジをしてください。また、弱点と認めたうえで、こんな努力をしているというアピールも使えます。
さらに逆質問で、面接官(=社会人の大先輩)にどのようにして大人数の前で上手にスピーチができるようになったのか、を訊ねるのもよいでしょう。ともかく、ネガティブな表現の回答のまま終わらせないように注意することです。

《就活キーワード:CSR 企業の社会的責任》

CSRの定義は、「収益を上げ配当を維持し、法令を遵守するだけでなく、人権に配慮した適正な雇用・労働条件、消費者への適切な対応、環境問題への配慮、地域社会への貢献を行うなど、企業が市民として果たすべき責任をいう」です。
「企業の社会的責任」(Corporate Social Responsibility)です。ビジネスで使うこういった略語は、出来るだけ略される前のもとの単語とセットで覚えましょう。覚え間違いや使い間違いを防ぐためです。

さて、企業は自社の利益を生むために活動しているわけですが、企業の外部(=すなわち社会)にもいろいろな影響を与えます。人を雇用して賃金を払い、活動で得た利益から税金を払っているのですが、それだけでは十分ではありません。
身近なところでは、企業活動による周辺道路の渋滞から環境汚染。さらには資源・エネルギーの大量消費などの負の側面があります。企業が永続的に存在していくためには、企業が、自らが社会の一員である以上、「社会そのもの」が永続的に発展していくために貢献する存在でなければなりません。負の側面に対して何もせず、企業家活動を継続することは許されないのです。
かつて、好景気で企業業績が良い時代に、各社が競って社会貢献活動を行ったことがありました。メセナとかフィランソロピーなどのことばが使われました。しかし景気が後退し、企業業績が振るわなくなるとすっかり姿を消してしまいました。こういった活動とCSRとを混同してはいけません。

【プロフィール】

履歴書

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
人事、総務、経理などの管理部門に携わる。採用は、新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。
面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現させてきた。

PAGE TOP ↑