理系就活生向けコラム 第Ⅳ期 面接試験を突破せよ!

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第20回 内定を勝ち取るための面接回答(1)直球勝負(+就活キーワード:CS,ES,PS,SS)

6月に入り公式に「試験・面接」が解禁になりました。皆さんもすでに何度か面接試験を受けているのではないでしょうか?今回から3回にわたって「内定を勝ち取りにいく」ための対策を紹介します。
第20回:直球勝負
第21回:他者との差別化
第22回:変化球でかわすピンチ脱出法、です。

さっそく今回のテーマ「直球勝負」に入ります。
面接官の側から見た面接での学生さんの印象について、私の経験から実例を紹介します。
会社側は、いくつかの質問を用意して順番に尋ねていきます。とくに集団面接の場合には、全体の時間が限られ且つ、ひとり当たりの時間も限られてきます。
そう言った状況でも、とても頑張ってきちんと回答してくださる学生さんばかりなのです。
企業にとってはたいへんありがたいことです。それでもある一定割合で、頑張り方がうまくなくて、「残念だな」という印象の学生さんがいるのです。

では、面接官に対して「残念だな」と感じさせる要因は何でしょうか?
1.若者らしい元気さが感じられない
2.上手く答えているようでいて、どこか説得力がない
3.自分のことを話しているが、すべてが自分中心の視点で、他人との関係性が感じられない
この3点です。
これらは、回答の内容(すなわちあなたの言いたいこと)に問題がありというよりも、表現の仕方、言い回しに改善すべき点があると考えられます。
面接官を唸らせるようなうまい表現を使う、感動のエピソードを考えてくる、といったことではないのです。
「直球勝負」というのは、テクニックに走らず、いまの自分の姿、考えを真正面から面接官にぶつけるイメージです。3点それぞれについて解説していきます。

1.若者らしい元気さが感じられない。覇気が感じられない


緊張していることと、元気さがないと思われてしまうことは全く違います。
また、元気のない声での回答が続くと、実体験ではないこと・本心ではないことを面接用に用意してきて、その作文を思い出しながら話しているのでは、と面接官にマイナスの印象を与えます。

【対策】
・発声:自己紹介で自分の名前を言うときから意識してしっかり発声しましょう。ここでしっかり声を出して、「声、OK!」と自分に言い聞かせて次からの質問に備えましょう。

・語尾:~です。私は~考えます。~してきました。~します。回答の語尾は、このように「です」「ます」で終わることがほとんどです。
この最後の2音までしっかり発音することを心がけてください。ここで急に声が小さくなったり、あいまいになったりすると、せっかくいい回答をしていても、自信がない・作ってきた回答?などと思われてしまいます。
普段の会話以上に意識して、語尾をしっかり言い切る(音量とトーン)、そして質問者にしっかり顔を向けることを実行してください。

2.上手く答えているようでいて、どこか説得力がない


このケースで面接官が思うのは、どこかから仕入れてきた「模範解答」をなぞって回答しているのでは?ということです。どこか一般論のようで、生の気持ちが伝わってこないのです。

もう一つ、まじめな学生さんにありがちなのですが、自分の用意した答案を暗記してきて、一言一句その通りに回答しようとするケースもあります。
これだと、思い出しながら且つ、間違えないように話すことに意識がいって視線が定まりません。いわゆる目が泳いでいる状態です。説得力のない回答になってしまいます。

【対策】
・想定される質問については、必ずどう回答するのかは考えておかなければなりません。その回答を暗記するのではなく、いくつかのキーとなる単語を覚えておくことです。
100%暗記してきて、途中で詰まってしまいそこでストップしてしまうケースも多く見ました。キーワードをいくつか用意し覚えておけば、もし一つぐらい忘れてしまっても十分回答できるものです。
また、想定とは違う聞き方の質問にも、キーワードの順番を変えたり、入れ替えたりして、質問に流れに沿った回答を組み立てられます。

・就活本などにある面接対策の回答例を参考にするのは、悪いことではありません。しかし何年も、何人もの学生さんとの面接をしている面接官は、鋭く見抜いているものです。
回答例(模範解答)を参考にするのならば、その中に必ず自分のオリジナルの考え方や実体験を織り込んでください。

3.自分のことを話しているが、すべてが自分中心の視点で、他人との関係性が感じられない


面接試験においては、自分がどういう人間なのか?を面接官にしっかりアピールすることは大切です。
実際に面接をしていて、「自分は・・・」「自分が・・・」という自分目線のみの回答が続き、自身を客観的な視点で見ることが出来ていない?他者とのとの関係性で見られていない?(いわゆるメタ認知が出来ていない)と思わせられるケースがあります。

会社としては、あなたという人材に活躍してほしいから採用するわけなのですが、個人だけで成果が上がるわけではありません。チームで働く力が必要になるのです。「多様な人々とともに、共通の目標に向けて協力する力」です。

【対策】
・自身の性格や資質(強み、弱み)を語る時には、周りの人からどう言われているかと、それに対して自分自身ではどう感じているかを合わせて答えると説得力が増します。

・皆さんがこれまで生きてきた中で、ご両親、親せき、学校の先生、近所の大人たち、インターンシップやアルバイトで接した社会人などから影響をうけて育ってきているはずです。
今のあなたがあるのは、過去においての出来ごとや出会い、そしてその時々のあなたの選択(判断)の結果なのです。感情が大きく動いた時のこと、人生の先輩から教わったこと、反発したこと、など色々あるでしょう。こういったことを思い出し、書き出して眺めてください。

自分がどのような人間か?どのような働き方をしていきたいのか?さらには、人生で何を目指していくのか?などの大きな質問の回答にもこれらのエピソードを挟んで、生の経験からくる説得力のある回答ができるでしょう。

・皆さんは、アルバイトの経験はあっても、実際の就労体験はないでしょう。これから社会人になって働いていく姿を想像するにあたって、周りの大人を観察するといいでしょう。親と「働くこと」について腹を割って話すいい機会です。

ある面接で、父親のシステムエンジニアとしての働き方を見て育ち、自分もその道に進むことを決意し、大学でも情報学を専攻してきたという女子学生がいました。
「父親の働く姿のカッコよさ、悩んでいる姿、ピンチに対処する姿を見てきました。たいへんな仕事であることはわかっています。でもやりがいがあり、自分の達成感だけでなく世の中の役に立っているという実感も得られます。ですから自分もシステムエンジニアとして働く決心をした」素晴らしい回答でした。

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「立て板に水」という慣用句があります。よどみなく、すらすらと話すことの譬えです。どのような質問に対しても、すらすら答える学生さんはいます。このような学生さんと集団面接でいっしょのグループになると、焦ってしまいますよね。

でも、すらすら答えているようでも、質問の意味をしっかりとくみ取れていないまま回答していたり、聞かれていないことまで追加したり(話を盛って)しているケースが結構あるのです。
他人の回答に気をとられてはいけません。自分のペースで落ち着いて、自分の言葉で、自分の考え・経験を織り込んで、語尾までしっかり言い切る!
まさに直球勝負です。

《就活キーワード:CS、ES、PS、SS》

まずはしっかり覚えるために略号の意味から。
CS (Customer Satisfaction)顧客満足、
ES (Employee Satisfaction)従業員満足、
PS (Partner Satisfaction)取引先満足、
SS (Social Satisfactionまたは Society Satisfaction)社会満足です。

皆さんもアルバイト先などで働く中で、その企業(お店や塾など)で「お客様第一」「お客様に奉仕する」ということを教わったのではないでしょうか。「お客様は神様です」などという言葉もありました。
企業が存続し、成長していくには、お客様に愛されること、そして新たなお客様を増やしていくことが必須です。
経営学の泰斗(たいと:その道の大家として最も高く尊ばれる人)P.F.ドラッカーは、「企業の目的は顧客の創造である」という有名な言葉を残しました。

しかし、一方でCSを実現するためには、企業で働く人たちの満足ESの向上がなければなりません。そのためには、良い職場風土を作るためにお互いを認め合い、褒める文化を作っていかなければなりません。
「働き方改革」が掛け声だけに終わらないように実効性のあるものにしなければなりません。心身の余裕なしに他人に心を配れない、という事実があるのです。

企業には、ほかにもステークホルダー(企業の活動によって直接的・間接的に影響を受ける利害関係者)がいます。PSのP(取引先)SSのS(社会やコミュニティ)です。企業の社会的責任は前回の就活キーワードで取り上げました。そのほかには、株主(出資者)行政機関などもあります。
これらの多くの利害関係者との調整のうえで企業経営は成り立っているのです。

【プロフィール】

履歴書

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
人事、総務、経理などの管理部門に携わる。採用は、新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。
面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現させてきた。

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