就活生向け応援コラム 第6回 履歴書・エントリーシートの書き方

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企業に評価される履歴書・エントリーシートを書くには!?

これまでの回では、
・自己分析から自身が目指すべき職種を考えること
・興味のある業界を分析してビジネスプレーヤー(業界内の企業)を知り、ビジネスモデルを理解すること
・具体的な企業について情報収集をすること
について書いてきました。

これらの成果をふまえて、いよいよ「履歴書・エントリーシートの書き方」について話をしていきます。
履歴書・エントリーシートの書式は企業によってさまざまでしょうが、いまからしっかりと準備しておけば提出時にあわてなくてすみます。
これらの提出書類の書き方については、web・就活本・学校のキャリアセンターの指導・各種セミナーでの指導など情報があふれています。
アドバイスがなくて書くのに困るというよりも、あれこれとアドバイスが多すぎて混乱してしまうというのが実情ではないでしょうか。いろいろな情報源からのいいとこ取りをして作成してみると、結局、なんの特徴もない(不合格にはならなくても合格ラインぎりぎりの)書類になってしまいます。

そこで、このコラムでは、企業の採用側(人事担当者・面接官など)からみて、どのような履歴書・エントリーシートが評価されるのか?という視点からのアドバイスをしていきます。

履歴書・エントリーシートは、選考の第一段階の書類選考をパスするための重要なポイントです。かつ、最終面接にいたるまで面接官が手元にもって、皆さんを知るための質問のきっかけにもなります。
ということは、面接で成功するためには、これらの書類に何を書くか、どう書くかが重要になるのです。
では、下記の質問項目にそって解説していきます。


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Q1:履歴書作成のポイントを教えてください。

A1:履歴書は、過去の事実を正確に書くことを心がけてください。
書式の指定がなければ市販のもの*もしくは大学独自のものを使います。(*JIS規格 A4(A3二つ折り))

【顔写真】
履歴書をワープロで作成し、写真も画像を貼りつけることが多くなってきたと思います。しかし企業によっては、プリントした写真を貼付するものを要求するところがあります。できることなら顔写真はプロに撮ってもらうことをおすすめします。
なぜなら、何十人もの履歴書を見る中で、写真の印象は侮れません。スマートフォンなどでもそこそこの写真は撮れるでしょうが、どうしても見劣りしてしまいます。この段階で不利な状況は避けたいものです。

【年号の表記】
和暦でも西暦でも特に決まりはありません。ですが、学歴欄と自由記述欄で和暦と西暦が混在している履歴書を時々見かけます。どちらかに統一しましょう。
また、両者を併記すると面接官がみてわかりやすく好印象をもってくれるかもしれません。
例)2016年(平成28年)○○大学○○学部入学

【手書き文字】
履歴書は手書きに限る、という指定をしている企業はほとんどないと思われます。しかし一方で提出されるものの半数くらいは手書きでした。(私が採用担当をしていた200名規模のIT企業の例)
文字の上手下手はあまり気にしなくても結構です。一生懸命気持ちを込めて書いていれば想いは伝わってきます。何通も書くのは大変でしょうが、頑張りどころだと思います。

Q2:エントリーシート作成のポイントを教えてください

A2:結論から書きます。採用担当者や面接官に読んでもらえるエントリーシートにすることです。
なぜなら、毎年何十人ものエントリーシートを見てきていると、それぞれエピソードは違っていてもアピールポイントは同じ、まるで模範解答例の中からよさそうなものをピックアップして並べただけに見えてしまうのです。

それでは実際にどうすればいいのでしょうか?
具体的には、以下の4つの質問で個別に解説していきます。合格点狙いで模範的な記述をするのではなく、また決して奇を衒う(きをてらう)〈ウケをねらって奇抜なことを書く〉のではなく、自分の言葉で自分の想いをストレートに表現したエントリーシートが採用担当者に読んでもらうことができ、かつ高評価につながるのです。

履歴書

Q3:自己PRでは、特別な体験をしていないと評価は低くなってしまいますか?
自慢できるようなすごい経験がなく、自信を持って語れることがありません…。

A3:特別な体験・すごい体験とは、例えば海外留学経験やボランティアでの主導的な活動、体育会系クラブ活動での優秀な成績などといったイメージでしょうか。

第一のアドバイスは、大学時代の体験にこだわらず小・中・高校時代までさかのぼって印象に残っている体験を思い出してください。そしてその体験が今の自分のどういった価値観や生活態度に影響を及ぼしているのかを考えてください。現在のあなたの良い点(ユニークさ)を形成した原点が見つかると思います。

第二のアドバイスは、これまでにしてしまった大失敗を思い出してください。その時にどう思ったか、どうやってリカバリーしたか、そして何を学んだかを考えてください。失敗の教訓、そこからの学びはあなたにとっての貴重な(特別ですごい)体験ではないでしょうか。

第三のアドバイスは、自分の弱点・弱みをしっかり見つめなおしてください。それがわかったら、その対極にある気質・行動特性があなたの強みではないかと考えてみてください。
こうして分析してわかった強みはあなたにとっての貴重な(特別ですごい)気質・行動特性ではないでしょうか。
弱点・弱みはない方がいいと考えがちですが、それは誰にでもあるものです。その弱点・弱みをも上回る長所・強みを自覚して活かしていくことが社会に出てからも、個としても、チームのメンバーとしても求められることなのです。

派手で人目をひく体験ばかりに気が行くかもしれませんが、自己PRでは「いかに自身を深く分析しているか」「今後、社会人として働く上での心構えが出来ているか」が評価のポイントです。

Q4:自己PRは複数作成しておいたほうがいいですか?

A4:次の質問「志望動機」についても同じことなのですが、PRしたい点や志望動機は1つではないでしょう。エントリーシートの記入スペースにもよりますが、3つくらいは挙げておきたいですね。面接試験でも必ず聞かれるポイントです。第一に○○、そのほかに△△、△△があります、という具合に深さと幅をもたせた回答ができます。

このように「3つ書きなさい」といわれると1番目は意外と簡単に書けるでしょうが、2番、3番が出てこなくて、むりやりひねり出して、その勢いで書いてしまうようなことがあるでしょう。実際に、ベテランの採用担当者ならば簡単に見抜いてしまいます。
例えば、【自己PR】私の長所は、
・計画的に課題に取り組み締め切りまでに完成させる習慣が出来ている点です。
・沈着冷静
・ユニークな思い付きがあるとまずは挑戦してみます

2番目の項目は、1番目と共通しているように見えますし、3番目は1,2番目と食い違っているようにも思えます。文章で書いたり、単語をストレートに書いたりするのもバランスがよくありません。よく、ビジネスでは「粒度(りゅうど)を合わせる」などという言い方をします。項目を列挙する時には、各項目の意味の広がりや深さを合わせることです。相互に大幅なダブリがなく、また矛盾がないようにすることも必要です。

そのためには、白紙を一枚用意して思い付く項目を10~20程度書き出します。苦しくとも数を出します。そこから似通ったものをグルーピングしていきます。それらを箇条書きにできるくらいの文章にします。こうすると3~5項目ほどのPRポイントが整理できます。学校の授業などでもやったことがあるのではないでしょうか?思考の拡散と収束を紙の上でやっていく方法です。

この項目の最後に、複数作成しておいたほうがいいですか?について解説します。
自己PRに関しては、基本的に同じになるはずです。ただし応募企業にあわせて項目の順番を変える程度はいいでしょう。面接試験で、自己PRについての回答が提出書類とブレないように気を付けてください。(言わずもがなですが、提出した書類のコピーは必ず手元にとっておき、面接試験の前に確認することをお忘れなく!)

Q5.志望動機の書き方のコツはありますか?

まずは、私がNGだと思う回答についてです。
「御社の企業理念に共感しました」「御社の社風にひかれました」です。
かなりの割合でこのように書かれたエントリーシートが届きます。学生さんの気持ちもわかります。「なんて書けばいいかわからないから、こう書くしかない!」という理由もあるでしょう。採用担当者・面接官がこれらの回答を見ると、
・企業のイメージだけで応募してきているのではないか?
・本当にこの業界を理解しているのか?
・職種を想定し、実際に働くイメージが出来ているのか?
などと不安に感じるのです。もちろん、本当に第一志望なのか?と考えてしまわれたら困りものですね。
では、どう書けばいいのか?です。

あなたが応募する企業を初めて知った時から実際に応募するまでの期間に実際にとった行動を書けばいいのです。そのためには、何らかの行動がなければいけませんが、実際に営業店舗に行ってみた、工場を(外から)見学してみたでもいいです。社員や学校の先輩から会社の様子を聞いたことでもいいです。
インターンシップや企業分析をしてみて気づいた点でもいいです。ここから感じたこと、解ったことをベースに自分の働き方(これは強みを生かしてです)と合わせて理由付けをするのです。

実際にエントリーシートに書かれていたことから、面接での応答例を紹介します。
「大学での○○の分野の研究成果を活かして御社の△△事業に貢献したい」という記述に対して、面接官である取締役は、「うちの△△事業では、○○分野の技術はつかっていないんだがな」と一言。すると学生A君は、ワンテンポ置いてから、「御社の△△事業では、◇◇分野の技術が主流だとホームページに書かれていました。御社に入社出来ましたら◇◇分野の技術を学び、活かしつつ、5年・10年後にはこの分野と○○分野の技術を生かした新規事業を立ち上げてみたいです」と回答しました。
エントリーシートの記述と口頭の回答内容で、志望動機に関しては合格です。

評価された点は
・会社の中の一つの事業部門の技術を調べたうえで理解している。
・その技術と自分の専門性(強み)とを結びつけて働くイメージが出来ている。
・たとえ現時点で専門性が活きなくても将来の希望についても述べている。
などの点です。
面接試験での質問に対する自身の回答イメージまで考えて、志望動機が書ければ、他の応募者より一歩も二歩も抜きん出ることができます。

「自己PR」と違って「志望動機」はその会社ごとに全く異なっていなければならないことは今までの説明で十分お分かりと思います。「志望動機」をしっかり書いておけば、面接で慌てることもなくなりますし、面接官に強力な印象を与えることができます。絶対に手を抜けないポイントです。

Q6:「この学生と会って話を聞きたい!」と思わせるエントリーシートの特徴は何ですか?

前にも書きましたが、人事担当者や面接官は毎年何十人ものエントリーシートを読んでいます。どこの会社の人事担当者も、たとえ忙しくてもしっかりと読んでくれていると思います。一方、面接官をやる社長や役員の方々は、短い時間で集中してポイントを見つけるように読んでいるでしょう。

どのような読み方をされたとしても、印象に残る、あるいは他の応募者とは違う特徴がなければ(いわゆる差別化されていなければ)その他大勢の中に埋もれてしまいます。面接で頑張って目立てばいい、と考えているとしても、そのステップまで進めない可能性も十分あるのです。

では、その特徴とは、
・一生懸命真剣に考えて書いてあることが伝わってくること
・何かに打ち込んだ経験、興味や関心の広さ/深さが具体的に書かれていること
・業種/会社/職種についてのこだわりや挑戦したいという気持ちが書かれていること
この3点です。

まとめ

模範解答を写したようなエントリーシートでは、あなたの本当のすばらしさや入社後の意気込みを伝えることができません。書く前には、可能であれば現場を見て、話を聞いて、公開されている情報を調べましょう。そして、少々文章がうまくなくても自分自身の言葉で書きましょう。
書き上げたら、人生の先輩(親、先生、先輩社会人、キャリアセンター職員など)に見てもらうこともお奨めです。
ベテランの人事担当者や経営者は、その経験からエントリーシートを見て、準備不足やアピールポイントの不自然さなどは意外と見抜けるものなのです。一方で、履歴書・エントリーシートから伝わってくる書き手の誠実さ、真剣さも見抜けます。
不思議と実際に面接試験で何度か顔を合わせると想像通りなのです。今の自分に自信をもってチャレンジする気持ちを前面に出して作成してください。

来月のテーマは、「グループディスカッション・集団面接対策」についてです。

今月の就活キーワード:grab-and-go store グラブ&ゴー店舗

次号は12月18日掲載の予定です。

【プロフィール】

履歴書

Jerry O. (大庭 純一)
1956年北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
人事、総務、経理などの管理部門に携わる。採用は、新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。
面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現させてきた。

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