
就活生応援コラム 第3回企業とはどのような活動をしているのか?【3】

3.どうやって利益を得ている会社なのか?を調べよう!
企業は、たとえ現時点で利益が出ていても、将来にわたって利益があるとは限りません。そのため、常に社内では改善・改良の努力を続けていますし、社外では企業間での競争もしています。どのようにして企業を存続させ発展させるにはどうするのかを考えるのが「企業戦略」です。
マクロ(巨視的)に見ると、事業をどこでするのかとどのようにするのかを考えています。
「外部環境が大事、儲かる市場で儲かる立場を占めれば競争に勝てる」(ポジショニング)と「内部環境が大事、自社の強みがあるところで戦えば勝てる」(ケイパビリティ)という考え方があります。
ポジショニングでは、顧客がたくさんいるところ(ボリュームゾーン)で儲けが小さくても大量に販売する戦略もありますし、他の企業が注目しないスキマ(ニッチnicheといいます)で確実に顧客をつかむ戦略もあります。
また競争の激しい分野(レッドオーシャン)を離れて、競争相手のいない新しい市場(ブルーオーシャン)を創造するという戦略があります。
企業は、ポジショニング戦略とケイパビリティ戦略の二者択一ではなくミックスしながら競争しています。
ミクロ(微視的)に見ると、販売戦略(ビジネスモデル)があります。
特徴的なものをいくつか紹介します。

1.物販モデル
同一価値の商品であれば、顧客はより安い事業者から購入しようとします。購入の利便性など他の要因はあるものの「価格」は重要な要素です。
“Everyday Low Price”のキャッチフレーズでディスカウントショップを展開したウォルマート(米国)は有名です。日本でもスーパーマーケット、家電量販店で同様のモデルがあります。
派生型としては、特定の日に安売りする、特定の季節にバーゲンセールをするなど、日常よく見かけるスタイルです。 ポイントカード(最近はアプリ)を利用した顧客の「囲い込み」手法もあります。(ウォルマートがディスカウント店を始めたのは1962年です。)

2.卸売モデル
製造者(生産者)と販売業者の仲立ちをすることで利益を得るモデルです。
大量に製造(生産)した方が効率のいい製造者(生産者)と必要な時に必要な販売量があればいい販売者の間で在庫調整をしています。
しかし、物流網の発達、情報技術の進歩で「中抜き」(棚卸業者を飛ばして直接取引すること)が進んでいます。

3.アービトラージモデル(裁定取引)
価格差を利用した「さや取り」を「アービトラージ(裁定取引)」と呼びます。
例えば、「現物市場で取引されている為替レート」と、「先物市場で取引されている為替レート」の、ギャップ(Gap)を利用して利益を出す手法です。
金融商品に限らず、漁業や農業の分野でも見られるようになりました。
例えば、遠洋漁業事業者は、取れた魚を世界中の港の市場で(その時点で)一番高く買ってくれるところに持ち込んでいます。これも情報技術の進化のおかげです。

4.消耗品モデル
ジレットが発明した「替え刃モデル」です。髭剃りの本体を安く売り、その後その本体に合う替え刃を長期的に販売し続けることで顧客を離さない手法です。100年以上前(1901年)のことです。
現在では多くの例があります。
・家庭用インクジェットプリンターとイングカートリッジ
・携帯電話やスマートフォンと通話・データ通信料
・インスタントカメラとフィルム(以前はポラロイドのインスタントカメラ、最近では、富士フィルムのチェキで再び注目)
・コーヒーマシンとコーヒーポッド(ネスレのネスプレッソ)

5.(従量制)課金モデル
1960年頃、米国ゼロックス社が採用した方式です。湿式複写機(青焼き)に代わって普通紙複写機を開発し、一般事務用の域まで開発したものの本体価格が非常に高価で売れません。
そこで新しいリース方式を考案しました。「基本料金は月95ドル、月の複写枚数が2000枚までは無料、それを越える分については1枚当たり4セント」といった内容です。これによってゼロックスは複写機ではなく複写サービスを提供する企業に代わったといわれました。当時のライバル、IBMやコダックは参入し失敗し、ゼロックスの事実上の独占状態になりました。
その他の課金モデルとしては、生命保険があります。一旦、顧客を獲得すると、そこから継続的な利益を得ることができます。
これ以外にも、インターネットを利用した継続課金モデルも登場しました。課金する金額は少額に設定し、大人数の顧客を獲得することで安定的な売上げ・利益を確保できます。
最近聞くようになった「サブスクリプション」もこの課金モデルの一形態と考えられます。一定額を払うと新聞や雑誌が読み放題になるというものです。

6.広告モデル
1920年代アメリカのラジオ局CBSが始めたモデルです。現在では番組の制作費をスポンサーが支払ってくれるので、民放TV放送が当たり前のように無料で見られます。当時のラジオ、それに続くTVがマス広告メディアであることがこのモデルを有効なものとしています。
現在では、インターネットのバナー広告が登場しました。インターネットのホームページに表示される帯状の広告。クリックすると広告主のホームページへつながる仕組みです。
以上、6つの代表例を挙げました。これら以外にも、ライセンスの活用、ブランドの構築などいろいろなモデルがあります。
企業研究の際には、マーケット(業界)の中でその企業のポジションは?どの様にして顧客を獲得しつなぎとめているのか、新規顧客をどのように獲得しているのか?などについて調べてみましょう。
特徴的なものをいくつか紹介します。

1.物販モデル
同一価値の商品であれば、顧客はより安い事業者から購入しようとします。購入の利便性など他の要因はあるものの「価格」は重要な要素です。
“Everyday Low Price”のキャッチフレーズでディスカウントショップを展開したウォルマート(米国)は有名です。日本でもスーパーマーケット、家電量販店で同様のモデルがあります。
派生型としては、特定の日に安売りする、特定の季節にバーゲンセールをするなど、日常よく見かけるスタイルです。 ポイントカード(最近はアプリ)を利用した顧客の「囲い込み」手法もあります。(ウォルマートがディスカウント店を始めたのは1962年です。)

2.卸売モデル
製造者(生産者)と販売業者の仲立ちをすることで利益を得るモデルです。
大量に製造(生産)した方が効率のいい製造者(生産者)と必要な時に必要な販売量があればいい販売者の間で在庫調整をしています。
しかし、物流網の発達、情報技術の進歩で「中抜き」(棚卸業者を飛ばして直接取引すること)が進んでいます。

3.アービトラージモデル(裁定取引)
価格差を利用した「さや取り」を「アービトラージ(裁定取引)」と呼びます。
例えば、「現物市場で取引されている為替レート」と、「先物市場で取引されている為替レート」の、ギャップ(Gap)を利用して利益を出す手法です。
金融商品に限らず、漁業や農業の分野でも見られるようになりました。
例えば、遠洋漁業事業者は、取れた魚を世界中の港の市場で(その時点で)一番高く買ってくれるところに持ち込んでいます。これも情報技術の進化のおかげです。

4.消耗品モデル
ジレットが発明した「替え刃モデル」です。髭剃りの本体を安く売り、その後その本体に合う替え刃を長期的に販売し続けることで顧客を離さない手法です。100年以上前(1901年)のことです。
現在では多くの例があります。
・家庭用インクジェットプリンターとイングカートリッジ
・携帯電話やスマートフォンと通話・データ通信料
・インスタントカメラとフィルム(以前はポラロイドのインスタントカメラ、最近では、富士フィルムのチェキで再び注目)
・コーヒーマシンとコーヒーポッド(ネスレのネスプレッソ)

5.(従量制)課金モデル
1960年頃、米国ゼロックス社が採用した方式です。湿式複写機(青焼き)に代わって普通紙複写機を開発し、一般事務用の域まで開発したものの本体価格が非常に高価で売れません。
そこで新しいリース方式を考案しました。「基本料金は月95ドル、月の複写枚数が2000枚までは無料、それを越える分については1枚当たり4セント」といった内容です。これによってゼロックスは複写機ではなく複写サービスを提供する企業に代わったといわれました。当時のライバル、IBMやコダックは参入し失敗し、ゼロックスの事実上の独占状態になりました。
その他の課金モデルとしては、生命保険があります。一旦、顧客を獲得すると、そこから継続的な利益を得ることができます。
これ以外にも、インターネットを利用した継続課金モデルも登場しました。課金する金額は少額に設定し、大人数の顧客を獲得することで安定的な売上げ・利益を確保できます。
最近聞くようになった「サブスクリプション」もこの課金モデルの一形態と考えられます。一定額を払うと新聞や雑誌が読み放題になるというものです。

6.広告モデル
1920年代アメリカのラジオ局CBSが始めたモデルです。現在では番組の制作費をスポンサーが支払ってくれるので、民放TV放送が当たり前のように無料で見られます。当時のラジオ、それに続くTVがマス広告メディアであることがこのモデルを有効なものとしています。
現在では、インターネットのバナー広告が登場しました。インターネットのホームページに表示される帯状の広告。クリックすると広告主のホームページへつながる仕組みです。
以上、6つの代表例を挙げました。これら以外にも、ライセンスの活用、ブランドの構築などいろいろなモデルがあります。
企業研究の際には、マーケット(業界)の中でその企業のポジションは?どの様にして顧客を獲得しつなぎとめているのか、新規顧客をどのように獲得しているのか?などについて調べてみましょう。
【プロフィール】
1956年北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
人事、総務、経理などの管理部門に携わる。採用は、新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。
面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現させてきた。
*Jerryとは:以前、外資企業に勤めていたことがあります。アメリカ人の社員たちは社内でも、お互いを「姓」ではなく「名」の方で、それもニックネームで呼び合います。Jun’ichiという名前は長くて発音しづらい、覚えられないということで「お前はJerryということでよろしく」となり、つけられた呼称です。体もあまり大きくないので“Tom & Jerry”のJerryのイメージもあったのでは?厳しい仕事をしながらも、このような職場内の人間関係を楽しいものにしていくAmericanなスタイルは、日本の職場でも学ぶところがありますね。